困り顔が超かわいい、それでもやっぱり笑ってほしい!三波なつみに関するおすすめサブストーリー

それではようやく宣言通り『あんガル!』(現『あんガル!!』)のサブストーリーの紹介に移ります。
さてその選考基準について。前記事に滲み出ているかもしれませんが、私はメインストーリーの『再任選挙』から『選別の儀』(新生徒会就任式)までのあまりに美しい流れが大好きです。そのため、まずはメインストーリーがより楽しくなるという観点から選出したいと思います。
また、そのメインストーリーへの愛もだいたい「転校生くんとひまり、男女バディとして最上級すぎて尊いんじゃ〜〜」「転校生くんとなつみ、大正義幼馴染みカップルすぎて応援するしかないんじゃ〜〜」「君咲学院みんなひまりのこと好きすぎじゃない?尊い」「君咲学院みんな転校生くんのこと好きすぎじゃない?尊い」の4つで構成されています。そこで、ひまりのことは前回も少しお話したことですし、今回は三波なつみを軸に据え、いくつかお話をピックアップしていきます。

※ネタバレします!

 

夏への扉をひらいて」(木野誠太郎先生)

なつみと転校生くん関係の話、ということについていえば、最重要といっていいのではないでしょうか。さらにこの話自体一つのショートストーリーとして技巧的にまとめられており、解放して損はしないのではないかと思います。

タイトルに騙されそうですが、時期は4月。まだ転校生くんの転入まもなく、彼らが『再任選挙』騒動の渦中にある頃です。

メインストーリー内でも触れられていますが、幼馴染み・転校生くんとの久しぶりの再会を受け、三波なつみは「君が早く学校になじめるように」と腕まくりをしていました。そんな彼女による学校案内が一通り終わったらしく、確認のためにかくれんぼを始めます(隠れ場所を探しつつ改めて教室等を確認する狙いがある……そうです)。鬼役のなつみは、クラスメイトの春風ななや美術部の仲間たちに促され、転校生くんとの思い出を語っていきます。それは二人が小学生の頃、転校生くんが彼女の前を去る少し前の話でした。

家族ぐるみでお付き合いのあった二人の夏休みの思い出。まさしく今と同じように、かくれんぼをして、転校生くんがあまりに静かで見つからなかったり、夫婦みたいとからかわれたりしています。では今と違う点はなにかといえば、まだ二人とも小さな子どもで、全てを家族に任せっきりにして二人で遊んでいたこと。一方、転校生くんの「ひとの手助けばかり」は昔からと読めるなつみの発言が出てくる話もあります(「新生徒会就任式」以心伝心3話)。

恐らく、他の交友関係もあったとしても、極端にお互いと二人っきり(+せいぜいあんずさん?)の時間が長かったのでしょう。だから「ひとの手助けばかり」な転校生くんはなつみを助け、なつみは「君を頼るんじゃなくて、頼られるようなひとになりたい」と思ったのかな~、と。逆にその表現には自己卑下も入っているとはいえ、いつも一緒のなつみが「どんくさい」子だったために、転校生くんが「ひとの手助けばかり」になった側面も全くないということはないかもしれません。

何はともあれ、そんな二人が転校生くんの引っ越しにあたり、「この町で」「また君と一緒に」「並んで歩く」ための約束をしたこと、そしてそれが守られたことが明かされるのが本話最大の山場かと思います。

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実際、なつみがほぼ一方的に提案したものですし、転校生くんは「この町」に戻ってなつみの前に再び姿を現すだけで約束を果たしたことになります。

ではなつみは?ただそれを待っているのみならず、(一対一の人間として並び立てるように)頼りになる人間になることが必要です。ううん、抽象的です。ひとりぼっちで転入した転校生くんを率先して暖かく迎え入れる空気を作ったこと、および美術部で校内をデッサンして回ってるから案内は余裕であるということは、それなりに助けになったことでしょう。実際、転校生くんは「頼りになる」旨の回答をしているようです。

ただ外から見ると、他のクラスメイトも優しくてしっかりした女の子たちであるため、この時点では彼女が頼りになるか?という点では疑問に思われても仕方がないでしょう。恐らくこの点をフォローするのが、生徒会長再任選挙終了後各種ストーリーにおける美術部としての活躍なのだと思います。

なので、ここで転校生くんがなつみは頼りになると言ったことの根本は、「頼りになる」という語で一般的に想像される逞しさとは少し異なり、無口で恐らく存在感が薄く、ちょっとズレてる彼を何があっても大好きだから求めていて、探し出してくれる安心感とかなんだろうな~と思うのでした。

 

 

 「湖南やこ 個人ストーリー」(日日日先生)

復学した演劇部の3年生・湖南やこが2-Aに押しかけてきます。一言ご挨拶をと言いつつ、彼女はなつみが演劇部の依頼にこたえて制作した衣装にビシバシ指摘を加えます。しかしそれと同時に(今までもらっていなかった)経費を渡され、また期待の言葉をかけることによって、なつみを奮起させるのでした。

転校生くんとなつみとの関係という点では何かあるわけではないのですが、なつみという個人の成り立ちにおいて重要な一幕であると思います。

 

 

 HappyWedding*水無月の花嫁」(日日日先生)

タイトル通り6月、転校生くんやなつみの所属する2-A中心に展開するストーリー。

転校生くんが結婚しちゃう?!という疑惑の際のなつみの慌てっぷりとななの冷静さとの差が面白かったのでネタバレするのもなんですが、長居ゆうの従姉の結婚式のお手伝いをするお話です。

また疑惑が晴れるまでの焦りももちろんですが、堀田さあやに諭され落ち着きを取り戻して放ったセリフが「また、転校生くんが困ってる女の子を手助けしてるだけかもしれないし。それなら、わたしが手伝えることもあるかもしれないしね♪」というのは、さあやじゃなくてもあんたって子は……とため息をつきたくもなります。これはファッションショー等の北川ゆきとの関わりの中でもめちゃくちゃ思うのですが、彼女の中ではおそらく友愛と恋愛が自覚なく同居しているので性質が悪いですね……。

 まあそのセリフ通り彼女(達)はお手伝いをすることになるわけです。なつみはドレスを作ることに。演劇部の依頼になあなあに応えるのみならず、やことの会話や歌劇(「激奏!海賊アンサンブル」)も経て、それなりに手先が器用ということに自信をもててきている頃でしょうから、楽しんでやれただろうな~と思います。

さて、エピローグですよ。無事に式を見届けて帰宅するなつみ。ドレスの参考に、ウェディングドレスを借りていたことを思い出します。誘惑に耐え切れずそれを着用し、昔の転校生くんとのおままごと(お嫁さんごっこ)に思いをはせていたら、やってくる本人。

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ひょんなことから指輪を手に入れたものの、自分が持ってても……と困ってしまった転校生くんは、なつみにそれを渡しにきたそうです。ジゴロどころの騒ぎではない。

しかしなつみも、嬉しいは嬉しいんだけど、転校生くんのズレた所に慣れてしまっているのでもう無邪気に喜べません。好きな気持ちがなくとも傷つける意図もなくとも、本当に彼は困ってしまったから誰かにあげたかったんだ……と……。

が、ここでは柔軟さが必要!その誰か、としにて自分を選んだということは、少なくとも「一番身近な女の子」ではあるだろう!離れ離れになって、幼馴染みの一番仲良しの子かどうかもわからなくなってしまっていたけれど、それだけは確かなことであると!

それを感じ、なつみはこんな約束の申し出をするのでした。

「いつか、君がほんとに大事なひとを選ぶ日がきたら、その子にあげてね?その日まで、わたしが大切に保管しておくよ。」

「もし、万が一、ありえないけど。その『選ばれる誰か』が、わたしだったら……」

「結婚式で、みんなに祝福されて、この指輪を受け取るから」

「だから、その日までは……いろいろ、お預けにしていいかな?」

 

「夕涼み*花火と夏祭り!」(日日日先生) 

8月、夏休みに近所のお祭りに行く君咲学院の面々。なつみはいつも2人で夏祭りに参加していた過去を思い出し、転校生くんを誘います。

なつみのターンはさほど多くないのでとりあえずそこだけ解放してくれ〜〜というのがなつみファーストをコンセプトに掲げる本記事の正直なところです(ただし筆者本人はひまり推しでもあるのでその限りではないです)。

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 久しぶりの、それこそ君咲学院では一瞬二人になることがあってもすぐに誰かがやってくるため、小学生の頃以来の本格的な二人っきりの状況に、なつみは舞い上がってしまい、変なことを口走ったり、射的でやたらとばきゅ~んしたりしてしまいます。

そこで見かけた同学年の安条まいの珍しく取り乱した姿。結局いつも通り、二人は「お節介かもだけど、心配」だからと彼女の後を追いかけるのでした。

「わたしも君も、もうしばらくは……『そんな感じ』でいいはずだよね」と、どこかほっとしたような笑顔とともに。

 

2016/11/14 追記

あ〜〜待ってください!その後安条さんを追いかけた話の中で、なつみにとっての転校生くん像が本人の口から語られており、こっちもメチャクチャ大事じゃね〜か!となりました。

つくづく人を助けるというモデルが、彼と彼女の間で幾重にも循環している感じがしますね。

 

*以下は、筆者自身まだ少ししか読めてないのでしゃべることができないのですが、そのわずかな情報や他のサブストから推測して絶対これはおすすめであることを確信しているのであえて項目を作りました。いつか全話そろった時、なお気合があれば加筆するかもです。

 

「揺れる心*冬の水族館」(日日日先生)

12月、美術部、まい、ゆきを中心に展開するストーリー。

美術部ではなつみの(皆に優しい長所の裏返しとしての)「他人に譲ってしまう」ところや逃げ癖といった短所を指摘されている。一方、転校生くんとゆきはデートをする。

 

「Kimisaki Valentine"s Day」(日日日先生)

 

 2月、2-Aと美術部を中心に展開するストーリー。

なつみはお菓子作りが好きなので、去年から皆にチョコを配っていた。転校生くんがいる今年も、まったく同じように対応をしている。ななに「転校生くんとは『すっごく仲良し』だから特別なチョコだと思ってたけど」とツッコまれ、真剣に驚いている。

しかし「あり得ないことを言われてびっくり」で終わりではないようで、ドキッとしている(「ドキドキ」でないのが単純に恋愛を自覚しました!ではないのだろうなと思わせる)。

 

 

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